子どもの発達集中講座

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2009/06/18

2009年子どもの発達集中講座 ⑤ 「ホントのねがいをつかむ」

Tweet ThisSend to Facebook | by マツヤマ

今年の講座の指定テキストは2009年5月に発行されたばかりの佐藤比呂二先生・赤木和重先生の共著「ホントのねがいをつかむ」(全障研出版部・本体1700円)となっています。

講座もお二人初コラボですが、本も初コラボです。
講座に参加できない方もぜひ手にとってごらんください

今年の講座の「まとめの討論」で司会をしてくださる二通諭先生(札幌学院大学准教授)が
月刊誌「みんなのねがい」(全障研出版部)にこの本の推薦文を寄せていらっしゃいますので、ご紹介します。


●『ホントのねがいをつかむ』を推薦します。
「行きません」。でもホントは行きたい大吉君。

         二通 諭(札幌学院大学人文学部人間科学科)



 人はしばしば、外に出したメッセージとは裏腹の「ホントのねがい」という
ものをもっている。たとえば、昭和歌謡屈指の名曲「悲しい酒」(曲:古賀政
男 詞:石本美由紀)で、美空ひばりが涙を溜めて「一人ぼっちが 好きだよ
と 言った心の 裏で泣く」と切々と歌い上げるフレーズには、口に出せない
「ホントのねがい」が隠されている。 

 『ホントのねがいをつかむ -自閉症児を育む教育実践』のテーマの一つは、
自閉症児が表に出す言葉や行動の裏に潜む「ホントのねがい」を掬いあげる佐
藤比呂二に、若手研究者の赤木和重に突っ込みを入れ、その本質を解き明かす
ことにある。赤木の脳裏にあるのは、名人芸と讃えられている佐藤実践を一度
解体して、誰もが組み立て可能なものにしようという野望である。
 佐藤が大吉君に「これから体育館に行くんだよ」と誘ったとき、「行きませ
ん」という拒絶の言葉が返ってくる。佐藤はすぐに「紅茶飲む?」「飲んだら
行くの?」と訊くと「ハイ」と同意の返事。このとき佐藤は、大吉君のねがい
は紅茶を飲むことではなくて、体育館に行くことであることを見破っている。
大吉君は紅茶を20回も飲むのだが、それは体育館に行くことへの不安と向き
合う葛藤の時間でもある。直線的に体育館へ行ってもパニックになるし、行か
なくても行けなかった自分を責めてパニックになる。ここはひとまず間をとり、
迂回である。このような佐藤の方略は、言いなりになるということではなくて,
折り合いをつける力の形成を目ざしたものである。体育館に行けるという短期
的課題と、折り合いをつけるという長期的課題が統一されているのだ。

本書のもう一つのテーマは、脱・「障害特性論」である。これについては、
赤木がズバリ「障害特性に応じつつ障害特性をこえていく教育へ」と題して提
言している。子どもがホントにねがう教育とは、「障害特性」の枠内に押し込
められるものではなくて、「障害特性」から自由になっていくものなのだ。

 まずは本書を手に取って、意気投合している二人に感染してもらいたい。

12:22 | 投票する | 投票数(0) | コメント(0) | 2009
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