野幌南どうぶつ病院 北海道 江別市 あさひが丘13-17 TEL 011-381-3321
 
 

野幌南どうぶつ病院 オゾン療法について

オゾン療法
2011/08/31

第16回日本医療・環境オゾン研究会 発表要旨

Tweet ThisSend to Facebook | by staff
第16回日本医療・環境オゾン研究会  日本薬学会長井記念ホール H.23.4.17 
 犬の皮膚疾患に対するオゾン療法臨床例  
 ○松尾直樹
    野幌南どうぶつ病院、北海道江別市

要旨

 痒みを主徴とする犬の慢性皮膚疾患に対してオゾン療法を実施し、その効果を検討した。オゾン療法は10-15μg/ml濃度の酸素オゾン混合ガスを用いて注腸法で行い、症例によってはオゾン水、オゾン化オイルを併用した。オゾン療法によって著効を示した4臨床例について各症例の概要、オゾン療法に至るまでの経過、オゾン療法の実施方法、具体的な効果等を示すとともに、当院における犬の慢性皮膚疾患26例に対する治療成績を示した。

キーワード: オゾン療法 犬 アトピー性皮膚炎 脂漏症

1. はじめに

 皮膚疾患に対するオゾン療法は、外傷や褥創、火傷、膿瘍、糖尿病性壊疽などに対して、オゾン水、オゾン化オイル、オゾンガス浴等によって治療されており1)、その効果は高いとされている。一方、アトピー性皮膚炎に対するオゾン療法は、その可能性が指摘されている*2)が、医学、獣医学において治療報告は見当たらない。
 犬アトピー性皮膚炎などの痒みを主徴とする慢性皮膚疾患は、その多くがステロイド剤や抗ヒスタミン剤をはじめ抗生剤、免疫抑制剤、犬用インターフェロン-γ、サプリメント、減感作療法、食事療法、スキンケアなどの組み合わせで治療されている。
 演者は、このような疾患に対して酸素オゾン混合ガスの注腸を主体とした治療を実施し、多くの症例で効果を認めたので、その臨床例を報告する。

2. 方法およびオゾン療法臨床例

 オゾン療法は、動物用オゾン発生装置(TK-20、オーテックラボ)および医療用酸素を使用して酸素オゾン混合ガスを生成し、注腸法にて実施した。また、症例によりオゾン水(デオシャワー、荏原実業)、オゾン化オイルを使用した。 
  各臨床例について症例の概要、オゾン療法に至るまでの経過、治療歴、オゾン療法の開始時期と治療内容、併用療法について症例毎に列記した。
 治療効果は、著効、有効、やや有効、無効、悪化の5段階評価とした。また、具体的な効果の内容や特記事項についても記載した。

□ 症例  1 

 臨床診断名 : アトピー性皮膚炎 脂漏症
 種類 : 犬  品種 : シーズー  体重 6.5kg
 性別 : メス(未避妊)  H9年生まれ( 13歳) 

 発症年齢 : 1歳前後                           
 罹患部位 : 頭部 両ワキ 四肢内側 

           
 図1  症例1 
    
 症状  : 発症以降持続的な?痒 全身の脂漏症 皮膚炎発赤、
     痒み) 頭部皮膚炎 皮膚肥厚 色素沈着 フケ
 治療歴 : 発症から10年以上にわたり抗生剤 痒み止め(抗ヒスタミン剤 
     ステロイド剤) 定期的な薬用シャンプー 皮膚外用薬 3年前
     から免疫抑制剤(シクロスポリン)毎日~1日おき

 オゾン療法開始 : H21.10.17 (転院症例につき当院での治療開始も同日から)
 オゾン療法   : 治療内容 オゾン注腸主体 10μg/ml×20~30cc
 効果持続期間  約2週間
 治療間隔     2週毎
 治療回数    30回~ 現在も継続中
 併用治療  : 当初は皮膚症状に応じてプレドニン シクロスポリンを数回内服
        したが、オゾン療法開始前と比較して著減。最近は自宅で
        の定期的なシャンプー 投薬はほとんどなし

 
 図2 初診時(H21.10.17)左顔面

 
 図3 維持期(H22.8.7) 同部位

 
 図4 初診時(H21.10.17) 左ワキ
   発赤 脂漏によるべたつき

 
 図5 維持期(H22.8.7) 同部位
   皮膚炎の改善 べたつき改善

 オゾン療法の効果 :  著効     
 効果の内容    : 痒みの改善  皮膚状態の改善  被毛の改善 
             
 その他の特記事項 : 脂漏症の改善(べたつきおよび体臭が改善)
           オゾン療法開始までには、多額の医療費がかかって
           いたが、オゾン療法実施後は、投薬も著減し医療費
           の負担が格段と少なくなった。


 □症例 2 
  臨床診断名 : アトピー性皮膚炎                     
 種類 : 犬  品種 : ジャックラッセル・テリア
 体重 : 5kg 性別 : メス(未避妊) H18年生まれ(4歳)
  
 発症年齢 : 1歳                                 
 罹患部位 : 頭部(眼および口周囲) 両ワキ 下腹部 両後肢 

 
 図6  症例2
 症状 : 痒み 発赤 皮膚炎 脱毛 被毛失沢 夏に悪化する傾向
 治療歴 :抗生剤 抗ヒスタミン剤 ステロイド剤 抗真菌剤(ケトコナゾール)

 オゾン療法開始  :H22.10.7 (転院症例につき当院での治療も同日から)
 オゾン療法 : 治療内容  オゾン注腸主体 10μg/ml×20cc 
         オゾン化オイル局所併用
 効果持続期間  2週間程度 環境により異なる
 治療間隔  当初週1回 2~4週毎
 治療回数   10回(継続中)
 併用治療 :  ほとんどなし。 環境変化などで症状悪化時に皮膚外用
         自宅でのシャンプー

 
 図7 初診時 (H22.10.7)

 
 図8  3週後(H22.10.28)

 
 図9  4か月後(H23.2.8)

 オゾン療法の効果 : 著効     
 効果の内容    : 痒みの改善  皮膚状態の改善  被毛の改善
            発毛    
 その他の特記事項 : 皮膚症状の割に痒みが強く定期的な投薬を続けて
            いたが、オゾン療法開始後は併用治療なしで維持
            できている。1歳頃から後肢の脱毛が続いてい
            たが、オゾン療法を始めてから痒みが減り、明ら
            かに発毛してきた。被毛も柔らかく毛艶が良く
            なった。

□ 症例 3  
   臨床診断名 : 脂漏症 アトピー性皮膚炎
 種類 : 犬  品種 : ビーグル 体重 : 7.8kg
 性別 : メス(避妊)   H17年生まれ(5歳) 

 発症年齢 : 1歳
 罹患部位 : 全身的な脂漏 頭部(アゴの下~頚部) 両ワキ 内股
 症 状  : 痒み 皮膚べたつき(脂漏) 発赤 特有の脂漏臭
 治療歴  : シャンプー(マラセチア用) 抗真菌剤と抗生剤投与歴あり


 図10  症例3
 
 オゾン療法開始 : H22.10.7 (転院症例につき当院での治療も同日から)
 オゾン療法 : 治療内容 オゾン注腸主体 10μg/ml×30~50cc 
         治療開始約2カ月後にオゾンシャワー(デオシャワー)購入。
         12月以降毎日オゾン水シャワー実施

 効果持続期間  1~2週  注腸だけでは効果は不安定
 治療間隔  注腸は当初週1回その後2週毎~不定期 
 治療回数  9回 オゾン水シャワーを中心に注腸も2週~1か月毎継続中
 併用治療 : 皮膚状態により抗生剤、抗真菌剤(ケトコナゾール)
        シャワー開始後は併用なし


 
 図11 初診時(H2210.7) アゴの下

 
 図12 3週後(H22.10.28) 同部位

 
  図13 初診時(H22.10.7)左後肢

 
 図14 維持期(H23.2.18)同部位

 オゾン療法の効果 :  著効 有効 (注腸+オゾンシャワーで著効)   
 効果の内容    : 痒みの改善  皮膚状態の改善  被毛の改善  
 その他の特記事項 : 週1回の注腸では脂漏症改善が認められたが、
           それ以上間隔が空くと脂漏症、皮膚炎が再発する。
           オゾンシャワーを頻繁に行うことで脂漏臭や皮膚の
           べたつき軽減。皮膚炎も良好となる。但し白色被毛
           が茶色に変色。拭き取ると白いタオルが茶色くなる。
           (図15.H23.2.4) これに対して注腸を併用す
           ると、茶色の汚れが明らかに減り腹部の茶色く変色
           した被毛が白くなる。(図16.H23.2.18) 
                                   

 
 図15(H23.2.4)脂漏症は改善

 
 図16(H23.2.18)注腸併用で褐色化している被毛が白くなりタオルも汚れない
          
□ 症例4    
   臨床診断名 : アトピー性皮膚炎 脂漏症
      種  類          : 犬  品種 : フレンチ・ブル 体重 : 15kg
      性  別          : オス去勢   H13年生まれ(9歳)

 発症年齢 : 1歳前後
 罹患部位 : 両ワキ 内股 四肢肢端パット 
 皮膚症状 : 発赤 皮膚炎 全身の脂漏症 体臭 特に四肢パット周囲の腫脹

 
 図17 症例4
  
 治療歴  : 抗生剤 ステロイド 抗ヒスタミン剤 頻繁なシャンプー 
        特に夏期ひどくなる(毎年の繰り返し)
         
 オゾン療法開始  : H21.10.1 (転院症例につき当院での治療も同日から)
 オゾン療法 : 治療内容 オゾン注腸主体 10μg/ml×45cc
 効果持続期間 : 1か月以上
 治療間隔 当初1週毎 効果発現後維持は1月毎
 治療回数 18回 
 併用治療 : 無
                                              
 オゾン療法の効果 :  著効   
 効果の内容    : 痒みの改善 皮膚状態の改善 被毛の改善 活発化 
その他の特記事項 : 毎年夏になると脂漏症で体臭がひどくなり、頻繁
           にシャンプーを行っていたが、オゾン療法を始めて
           そのような症状がほとんどない。足の腫れが引いて
           よく歩くようになった。

 
 図18 維持期(H22.8.10)

 
 図19 維持期(H22.8.10)

皮膚状態良好              後肢パット 発赤少し残るが良好 

 結果と考察

 当院でオゾン療法を行った痒みを主徴とする慢性皮膚疾患の犬26例の治療成績を図20に示した。著効または有効で臨床的に明瞭な効果が得られた症例は、全体の69.2%であった。また、副作用は全く認められなかった。この成績は、完治の難しいアトピー性皮膚炎や脂漏症などの治療成績としては大変意義のある結果と考えられる。

 
 図20 慢性皮膚疾患26例に対するオゾン療法の治療成績

 今回示した4症例は全て著効例である。症例1は、1歳からおよそ10年間投薬とシャンプーの繰り返しで特に免疫抑制剤を使用してからは毎月の経済的な負担も大きかった。オゾン療法導入以後は併用治療がほぼ不要となり、自宅での週1回のシャンプーと時々発生する皮膚炎に対する外用薬の使用である。しかしながら、治療間隔が2週間以上になると皮膚炎が再発する傾向があり、2週間隔での継続治療が必要である。
 症例2は皮膚症状の割には痒みが強いのが特徴であった。被毛は乾燥傾向があり毛艶が悪く、皮膚も
やや乾燥気味であった。オゾン注腸で痒みが減少するとともに、被毛がややしっとりと柔らかくなる傾向が見られた。以前にも乾性脂漏症の症例で何例か同様な経験があり、皮膚病変はさほど悪くないが乾燥肌傾向で痒みが認められる症例に効果が認められやすい。
症例4は、過去7~8年にわたりアトピー性皮膚炎と脂漏症で投薬と頻繁なシャンプーを続けてきた犬が、オゾン療法後には皮膚炎、脂漏症ともにほとんど収まり、治療間隔が1か月以上あいても症状が悪化しない症例である。ほぼ治癒した状態で推移しているが、このように数カ月治療しなくても症状が悪化しない症例は26例中2例経験している。
 また、症例1、2、4はほぼ注腸主体で著効を示しており、オゾン反応生成物による全身的な作用により効果の発現が得られたものと考えられる。
 症例3は、重度の脂漏症で、注腸は有効であったがオゾンシャワーとの組み合わせでさらに効果が得られた。皮膚病の対応としてスキンケアは重要であり、付着したアレルゲンや過剰な皮脂を洗い流す意味でもオゾンシャワーの併用が奏功したと思われる。

まとめ

 当院における痒みを主徴とする慢性皮膚疾患に対するオゾン療法は、69.2%の症例で臨床的に十分な効果が認められ、特に26.9%の症例で著効を示した。しかしながら、あまり顕著な効果が認められなかった症例に対してもオゾン療法と併用治療の方法を工夫することで、更なる改善の余地があるのではないかと考えている。今後さらに症例を増やして効果的なオゾン療法の方法を検討したいと考えている。
  
参考文献
1) Renate Viebahn-Haensler :ヨーロッパにおける最新のオゾン療法 P39-43, 日本医療・環境
オゾン研究会(2002)
2) V.Bocci : Ozone A New Medical Drug, 194 springer,(2010) 



09:51 | 投票する | 投票数(0) | コメント(0) | オゾン療法臨床例
2011/08/31

平成22年度 北海道獣医師会(3学会)発表要旨

Tweet ThisSend to Facebook | by staff
平成22年度日本小動物獣医学会(北海道)
演題名:犬のアトピー性皮膚炎に対するオゾン療法の効果と血液および免疫学的検討
発表者氏名:○松尾直樹1)山本佳奈2)大塚浩通2)

発表者所属:1)野幌南どうぶつ病院2)北里大大動物内科
      
【はじめに】オゾン療法はオゾンによる殺菌作用や末梢組織への血流および酸素供給の増加、細胞の代謝を活性化し免疫系を調整するなどの作用を利用して各種疾患に応用されている。昨年度、本学会において、酸素オゾン混合ガスの注腸によるオゾン療法が犬の慢性皮膚疾患に奏功することを報告したが、その作用機序はあまり明らかではない。今回、犬のアトピー性皮膚炎(AD)に対するオゾン療法の臨床効果とそれに伴う血液性状の変化、Th1/Th2系サイトカインの動態について調査を行ったので報告する。
【材料と方法】オゾン療法は10μg/ml濃度の酸素オゾン混合ガスを直腸内注入(注腸)した。投与量は体重の概ね3倍量(cc)とし、週1回4週以上行った。臨床効果の観察は、慢性のAD犬11例を用いた。また、健康犬5頭およびAD犬5例を用いて、毎週1回計4回のオゾン注腸を実施し、治療前後(治療前、1週後、3週後)に採血を行い、オゾン療法に伴う血液性状の変化を観察するとともに末梢血単核球のTh1/Th2系サイトカイン(IFN-γ、IL-2、IL-4、IL-10)遺伝子量をreal-timePCRにより解析を行った。
【結果】AD犬11例中の全例で痒みの軽減、10例で皮膚症状の改善が認められた。また、臭いの改善、投薬量の減少などが観察された。効果の発現は、11例中8例で治療開始2~3週後に認められた。治療効果の持続期間と、有効度は症例により異なった。治療に伴う症状の悪化や副作用は全く認められなかった。オゾン療法前の健康犬とAD犬の血液性状の比較では、AD犬でHt、RBC、リンパ球数、Hb値で有意な低下が認められた。また、オゾン療法に伴なう一般血液および生化学所見の異常は健康犬、AD犬ともに認められなかった。さらに、オゾン療法に伴うサイトカインの変化は健康犬でオゾン療法後にIFN-γが増加する傾向が認められた。AD犬では、オゾン療法前の治療がサイトカインに影響を及ぼす症例やサイトカインの反応が個体により異なる傾向が観察された。
【考察】AD犬に対するオゾン療法は、痒みの改善をはじめ一定の効果が得られ、副作用もなく臨床応用が十分可能であると考えられる。オゾン療法に伴うサイトカインの動きは、併用する薬剤やオゾン療法に対する反応性を反映する症例があり、今後症例数を加えてオゾン療法とサイトカイン動態との関連性を明らかにしたい。


09:43 | 投票する | 投票数(0) | コメント(0) | オゾン療法臨床例
2011/08/31

平成21年度北海道獣医師会(3学会)発表要旨

Tweet ThisSend to Facebook | by staff
平成21年度 日本小動物獣医学会(北海道)
演題名:犬の慢性皮膚疾患に対するオゾン療法の効果  
発表者氏名:○松尾直樹1)  
発表者所属:1)野幌南どうぶつ病院
      
【はじめに】オゾン療法はヨーロッパにおいて医学領域で広く行われており、殺菌作用をはじめ細胞の代謝を活性化し免疫系を調節するなどの作用を利用して、難治性の感染創、褥創、末梢動脈循環不全、老人性疾患、腫瘍の補助療法や感染症など幅広い分野で応用されている。獣医学領域では報告が少なく、緒方らによる牛での臨床応用と清水らによる犬猫に対する応用報告があるのみである。
今回、数年にわたり“痒み”を主徴とする難治性慢性皮膚疾患(アトピー性皮膚炎、膿皮症、脂漏症など)が持続または再発を繰り返す犬13例に対してオゾン療法を行い、その効果を検討したので報告する。
【材料と方法】オゾン療法は、動物用オゾン発生装置(オーテックラボ製TK-20、江別)を用いて、10μg/ml濃度の酸素オゾン混合ガスを発生させ、市販の5-8Frの栄養カテーテルを用いて直腸内注入(注腸)を行った。投与量は概ね体重(kg)×3倍量(cc)とした。投与間隔は1週間に1回を基本としたが、臨床症状に応じて投与間隔を変更した。また、症例によってはオゾン水(2-4ppm)の散布も併用した。治療効果の判定は、1か月以上治療を行った症例について、皮膚症状の改善、飼い主からの聞き取り調査などにより行った。
【結果】13例中12例(92.3%)は、痒みの軽減、投薬量の減少、皮膚症状の改善、皮膚病特有の臭いの軽減など明らかな治療効果が認められた。他の1例(7.7%)では症状の明らかな改善は認められなかった。オゾン水を併用スプレーした症例では、即効的な臭いの軽減と痒みの軽減が認められた。効果発現の時期は症例により異なり、治療開始後1週間以内に効果が認められたのは12例中5例(41.7%)であった。オゾン療法によって皮膚病変が悪化する症例は認められなかった。また、オゾン療法によって完治した症例は1例もなく、投与間隔が長くなると再発する傾向が見られた。
【考察】オゾン療法の作用機序は、/酸素オゾン混合ガスの刺激によって生ずる各種サイトカインの誘発であり、抗炎症作用や免疫調節作用によって皮膚炎症状が改善したと考えられるが、オゾンの作用機序については、まだ不明な点が多い。動物の皮膚疾患に対するオゾン療法に関する報告はないが、今回の成績から、オゾン療法は痒みの軽減をはじめとする臨床症状の改善が顕著であり、慢性皮膚疾患に対する治療の選択肢の一つになると考えられた。

09:41 | 投票する | 投票数(1) | コメント(0) | オゾン療法臨床例
2010/10/30

オゾン療法 臨床例2

Tweet ThisSend to Facebook | by staff
これから少しずつ著効例、有効例の紹介を行っていきますので
もう少々お待ちください。

H23.4.17(日)日本医療・環境オゾン研究会の研究講演会(東京・渋谷)で
”犬の皮膚疾患に対するオゾン療法臨床例”を発表します。

09:40 | 投票する | 投票数(0) | コメント(0)
2010/10/19

オゾン療法 臨床例1

Tweet ThisSend to Facebook | by staff
 症例1(アトピー性皮膚炎)

雑種犬 オス 13歳

 1歳頃よりアトピー性皮膚炎を発症し、頭部、耳、腹部、四肢の皮膚炎
を繰り返し、症状悪化のたびに投薬を中心とした治療を繰り返していました。飼い主さんの各種おやつ類でさらに症状が悪化する傾向がありました。
 
 H21.4月よりオゾン療法(注腸法)を主体とした治療を開始しました。
 オゾン療法開始後は、抗生剤やステロイドの投与を一切中止し、オゾン療
 法の効果を観察することが出来ました。

 オゾン療法の経過・効果など
 オゾン療法(注腸)を週1回繰り返し実施しました。1回目より犬が活発に
なり散歩時の足取りがとても良好。皮膚症状は3週目頃より明らかに良好と
 なり、発毛、皮膚炎の改善、フケの減少、犬の臭いの改善など顕著な効果が
 認められました。
 その後は、2週間に一度のオゾン療法(注腸主体)で維持し、抗生剤やステロ イドなどの併用療法は行っていないが良好に推移した。

 
 頚部 オゾン療法前

  
 同 オゾン療法2カ月後

 
 右後肢 オゾン療法前

 
 同 オゾン療法2カ月後



08:49 | 投票する | 投票数(0) | コメント(0) | オゾン療法臨床例
2010/10/18

小動物におけるオゾン療法

Tweet ThisSend to Facebook | by staff
オゾンとは

 空気中の酸素(O2)が化学反応で変化した物質(気体)でO3と化学式で書きます。
オゾンは非常に不安定で、安定した酸素(O2)になろうとする性質があります。その時に放出された酸素原子は周囲の物質と結合して酸化反応を起こします。この酸化力が消毒・殺菌・脱臭といった分野で利用されています。



医療での応用

 人医療の分野では、ヨーロッパ特にドイツを中心に治療が行われています。オゾンは殺菌作用がよく知られていますが、オゾン療法では、体内への酸素供給、血流増加、免疫調整作用、抗酸化作用、消炎鎮痛作用などによる治療効果が期待されています。具体的には、糖尿病性の循環不全、椎間板ヘルニア、感染症、加齢性黄斑変性症、皮膚病、免疫不全症、がん患者の補助療法、アレルギー疾患など一般に難治性疾患に有効性が示されています。

動物におけるオゾン療法

 小動物におけるオゾン療法はまだあまり知られていませんが、国内の動物病院でも多くの動物にオゾン療法が実施され、その効果や有用性が示されています。
 小動物に対するオゾン療法は、注腸(肛門からのオゾンガス注入)で行うことが多く、全く痛みがないのが特徴です。ただし一部の動物で排便が促されることがあります。
 オゾンと言えば殺菌作用が最も知られていますが、生体への作用として酸素供給を増やして細胞の代謝を活性化させ、免疫系の調節を行なったり、抗酸化作用を高めることで動物自身の治癒する力を引き出す治療法です。 特に免疫力の低下している高齢の動物にはお勧めの治療です。飼い主様からは、とても元気になる!という評価を多くいただきます。飼い主様が驚くほどの劇的な効果が見られることも珍しくありません。
 また、アレルギー疾患などでステロイド使用を避けたい場合などにも一度お試しすることをお勧めします。

動物用オゾン発生装置

 治療間隔は症状により異なりますが週1回を4回ほど行い、その後は症状に応じて2週間に一度を目安に継続します。一部の症例では一度で効果がはっきりする場合や4‐5回続けているうちに効果が実感される場合があります。

オゾン注腸の様子

オゾン療法の注意点

 * オゾンガスを吸引しないこと
 * 甲状腺機能亢進症の動物には使用しない

オゾン療法が推奨される疾患

 老齢性疾患・皮膚疾患(アトピー性皮膚炎・脂漏症・膿皮症など)腫瘍・耳疾患・椎間板ヘルニアなど運動器疾患・各種感染症・アレルギー疾患・自己免疫性疾患など
 通常治療との併用療法、またはオゾン単独療法、の選択は、動物の症状
や病気の種類により異なります。 また、オゾン療法は万能ではなく、著明な効果が現れる場合や効果が不明瞭な場合もあることをご理解ください。 少なくとも動物のQOLを高めるためには有効だと考えています。


オースリーオイル(オゾン化軟膏)

 オリーブオイルにオゾン酸素混合ガスを導通して作られたオゾン化オイルを術後の難治創や褥創(床ずれ)、火傷、悪臭を伴う自壊創や皮膚腫瘍、耳疾患などに使用することが出来ます。
 特に膿瘍や褥創などはオゾン水と併用することで大変効果的です。
 当院には貸し出し用のオゾン水発生装置(デオシャワー)も用意しております。



18:59 | 投票する | 投票数(0) | コメント(0) | オゾン療法とは
Copyright (C) 野幌南どうぶつ病院 All Rights Reserved.
 

// 情報館 // 北海道 // ペット // 地図 // EMC / 生涯学習 / 文化 // 市民活動 // 自治会 //
情報館 閲覧回数: 本日  昨日  累計  頁 since 2001/09/01
情報館 訪問者数: 本日  昨日  累計  人 since 2015/02/12