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野幌南どうぶつ病院 オゾン療法について

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2010/10/18

小動物におけるオゾン療法

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オゾンとは

 空気中の酸素(O2)が化学反応で変化した物質(気体)でO3と化学式で書きます。
オゾンは非常に不安定で、安定した酸素(O2)になろうとする性質があります。その時に放出された酸素原子は周囲の物質と結合して酸化反応を起こします。この酸化力が消毒・殺菌・脱臭といった分野で利用されています。



医療での応用

 人医療の分野では、ヨーロッパ特にドイツを中心に治療が行われています。オゾンは殺菌作用がよく知られていますが、オゾン療法では、体内への酸素供給、血流増加、免疫調整作用、抗酸化作用、消炎鎮痛作用などによる治療効果が期待されています。具体的には、糖尿病性の循環不全、椎間板ヘルニア、感染症、加齢性黄斑変性症、皮膚病、免疫不全症、がん患者の補助療法、アレルギー疾患など一般に難治性疾患に有効性が示されています。

動物におけるオゾン療法

 小動物におけるオゾン療法はまだあまり知られていませんが、国内の動物病院でも多くの動物にオゾン療法が実施され、その効果や有用性が示されています。
 小動物に対するオゾン療法は、注腸(肛門からのオゾンガス注入)で行うことが多く、全く痛みがないのが特徴です。ただし一部の動物で排便が促されることがあります。
 オゾンと言えば殺菌作用が最も知られていますが、生体への作用として酸素供給を増やして細胞の代謝を活性化させ、免疫系の調節を行なったり、抗酸化作用を高めることで動物自身の治癒する力を引き出す治療法です。 特に免疫力の低下している高齢の動物にはお勧めの治療です。飼い主様からは、とても元気になる!という評価を多くいただきます。飼い主様が驚くほどの劇的な効果が見られることも珍しくありません。
 また、アレルギー疾患などでステロイド使用を避けたい場合などにも一度お試しすることをお勧めします。

動物用オゾン発生装置

 治療間隔は症状により異なりますが週1回を4回ほど行い、その後は症状に応じて2週間に一度を目安に継続します。一部の症例では一度で効果がはっきりする場合や4‐5回続けているうちに効果が実感される場合があります。

オゾン注腸の様子

オゾン療法の注意点

 * オゾンガスを吸引しないこと
 * 甲状腺機能亢進症の動物には使用しない

オゾン療法が推奨される疾患

 老齢性疾患・皮膚疾患(アトピー性皮膚炎・脂漏症・膿皮症など)腫瘍・耳疾患・椎間板ヘルニアなど運動器疾患・各種感染症・アレルギー疾患・自己免疫性疾患など
 通常治療との併用療法、またはオゾン単独療法、の選択は、動物の症状
や病気の種類により異なります。 また、オゾン療法は万能ではなく、著明な効果が現れる場合や効果が不明瞭な場合もあることをご理解ください。 少なくとも動物のQOLを高めるためには有効だと考えています。


オースリーオイル(オゾン化軟膏)

 オリーブオイルにオゾン酸素混合ガスを導通して作られたオゾン化オイルを術後の難治創や褥創(床ずれ)、火傷、悪臭を伴う自壊創や皮膚腫瘍、耳疾患などに使用することが出来ます。
 特に膿瘍や褥創などはオゾン水と併用することで大変効果的です。
 当院には貸し出し用のオゾン水発生装置(デオシャワー)も用意しております。



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